電子機器はコンテナの中で最も許容度の低い貨物です。問題となる損傷は到着時に見えないことがほとんどです。反復振動で入ったはんだクラック、一度の落下で応力を受けたコネクタ、ヒートシンクの下で始まった腐食。
高額貨物にとって梱包はコスト項目ではありません。納品完了と、出荷済み品への保証クレームとを分ける境界線です。
4つの故障モード
衝撃。荷役中の一度の落下が製品にピーク加速度を伝えます。敏感な組立品には許容脆弱値(通常G表示)があり、これを超えると筐体が無傷でも内部が損傷します。
振動。長い陸送・海上区間は低レベルの入力を継続的に与え、締結を緩め、はんだ接合を疲労させ、接触面を摩耗させます。
湿気と結露。密閉コンテナ内の水分は接点を腐食させ、基板に残渣を残します。詳細はコンテナ内降雨の記事で扱っています。
静電気放電。荷役や開梱時に生じた静電気は半導体を目に見えない形で損傷させ、即時故障ではなく信頼性低下として現れます。
ハニカムが衝撃と振動に効く仕組み
ハニカムはセル壁の逐次圧壊によってエネルギーを吸収し、衝撃を製品に伝えるのではなく制御された変形に変換します。航空宇宙やモータースポーツの吸収構造と同じ原理を、梱包の経済性で使います。
緩衝が嵩ではなく設計によるため、必要断面は同等の発泡材より薄くなることが多く、課金容積と材料使用量の両方を減らせます。
内装、コーナーブロック、内部補強は製品形状に合わせて打ち抜けるため、製品が緩衝材の中で泳がず保持されます。長距離輸送の振動損傷を抑えるのはこの保持です。
静電気については正確に
ここは宣伝ではなく慎重に述べます。標準的なクラフトハニカムはESD保護材ではなく、そのように提示すべきではありません。
ESD保護はデバイスに接する一次包装が担います。静電シールドバッグ、散逸性ライナー、帯電防止処理された内材を、デバイスの感度区分に応じて選定します。
ハニカムはそのシステムの外層構造を担い、荷重を支え、衝撃を吸収し、形状を保ちます。ただの紙製ボードをESD対策だと説明する供給者は、明らかに過剰な売り込みです。
正しく仕様化する
設計を決めるのは3つの入力です。製品重量と寸法、判明していれば脆弱値、そして落下高さ・荷役回数・行程長を含む輸送プロファイル。
これらがあれば、ハニカム密度、緩衝厚、内装形状をカタログ箱に隙間を詰めるより遥かに高い確度で仕様化できます。
よくあるご質問
ペーパーハニカムは帯電防止・ESD対応ですか?
標準的なクラフトハニカムはESD保護材ではなく、静電対策として頼るべきではありません。ESD保護はデバイスに接する内層包装(静電シールドバッグや散逸性ライナー等)が担い、ハニカムは外層の構造・緩衝を担当します。
ハニカムは発泡材と同等に電子機器を守れますか?
衝撃と振動については同等の性能を、より薄い断面で発揮できることが多いです。嵩ではなくセルの逐次圧壊で吸収するためです。正確な比較は製品の脆弱値と落下高さによります。
電子機器梱包の仕様化には何が必要ですか?
製品重量と寸法、判明していればG単位の脆弱値、想定落下高さ、荷役回数、輸送経路と期間です。これらからハニカム密度、緩衝厚、内装形状を決定します。
推測ではなく仕様で守る
製品重量・寸法・輸送プロファイルをお送りください。エンジニアが緩衝と内装を設計します。